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使用済みでも返品は自由自在なアメリカの現状

こんにちは、Marinです。

アメリカは、返品大国なのは有名な話ですが、商品ならまだしも食べ物まで返品出来るのがアメリカのすごいところ。日本では、基本的に新品、タグ付き、レシート有りではないと返品は難しいことがほとんどです。しかし、アメリカでは使用済み、タグなし、場合によってはレシート無しでも自由自在に返品出来ます。消費者にとっては嬉しいサービスですが、度が過ぎると企業の利益にも繋がってくるので最近では、アメリカの返品制度が問題視されているのも現状です。そこで今回は、問題視されているアメリカの自由自在な返品制度について紹介します。

アメリカで返品が多い理由

はっきりと自己主張するアメリカの文化

アメリカで返品が多い理由は、自己主張する文化の影響が大きいです。わかりやすく言うと、お店に対してクレームを言う人が多くなったので現在のような返品制度が出来上がってしまったということです。

アメリカでは自己主張はとても大事なことで、小学校でもプレゼンテーションの授業があったりと小さい頃から自分の考えを相手に正確に伝える訓練がなされています。自分の主張が出来るのは素晴らしいことですし、日本人には足りない所でもあります。しかし、自己主張も度が過ぎると"Selfish"(わがまま、自分本位)になってしまうので、何でもかんでも自己主張するのはそれはそれで考えものです。

製品自体が脆く、壊れやすい

アメリカの製品は日本の製品と比べると壊れるのが早いことが多いので、返品する率は高くなります。またお店でのずさんな商品管理の影響もあります。最近では、返品率を下げるために商品管理には力が入れられている傾向が強いですが、それでもまだ行き届いていない所があるのは現状です。

アメリカでは使用済みでも返品出来る

使用済みの洋服の返品

アメリカでは驚くことに一度着た服を使用済みなのにも関わらず、返品することが出来ます。タグがなくてもレシートがあれば返品出来ることが多く、中には大量に購入し、数週間後に全て返品なんて強者もいます。返品理由は様々ですが、一度着て返品する人の多い理由としては、そもそも一度しか着ない予定で購入し、一度着たら返品するパターンです。

実際にダンサーの人に聞いた話では、ダンスのイベントの衣装なんかはそのイベントでしか着ないので、一度着たら返品する人が多いなんて話も聞いたことがあります。まるでレンタル衣装のような感覚で、返品している人もいると言うので驚きです。

食べ物の返品も例外ではない

さらに驚くことは、レストランでオーダーして半分程度食べてしまっても返品出来ることです。レストラン毎で対応は違うと思いますが、なんせアメリカのレストランではクレームや返品の要求が多く、返品を承知した方がお店側からしたら楽だという事実があります。

返品の要求を断り、訴訟問題などに発展すると余計に面倒なことになり兼ねないからです。食べ物の返品に関しては、アメリカだけではなく、例えば中国でも、買った食べ物を食べてみて好みでなかったり、自分の思った味と違かったりすれば返品出来る可能性が高いです。

返品制度が充実し過ぎているコストコ

アメリカのコストコでは、返品用の窓口が常に人でいっぱいです。ラインを見てみると電化製品や少し開けてしまっているジュースを持っていたりと返品するものは様々です。それもそのはず、コストコではカスタマーサービスの一貫として返品制度が充実していて、返品するのが当たり前のようになってしまっているのです。しかもコストコは会員制の大型スーパーで、購入履歴などは会員カードで管理されているため返品にレシートは必要ありません。コストコのカスタマーサービスの強化は、会員数を増やすビジネスプランとしてはいいと思いますが、アメリカの不条理な返品制度に拍車をかけたと言っても過言ではありません。

コストコの返品制度における問題

返品制度が寛容過ぎて、度々起こっている問題の一つに企業側の負担が大きくなってしまうということがあります。ハワイのコストコでは、観光客がシュノーケリングなどを買い、使い終わったら返品して帰るというようなレンタル化が問題になっています。レンタル化が進んでしまうと企業としての収益は伸びず、返品された商品をどうするかの対応に追われ、また返品用の窓口の増員なども考えられるので、ビジネスというよりは収益のないボランティアのようになってしまいます。そのような過剰な返品制度はコストコだけではなく、アメリカに進出している海外企業にも影響を及ぼしています。

コストコでの実際の返品事例

・一週間使った電子レンジの返品

コストコでは電化製品も返品できます。今では電化製品には保証期間が設定され、箱の有無、付随している説明書などの有無などの返品条件があります。それでも保証期間は90日と長いため、綺麗に使い、箱なども取っておけば十分に返品できます。正直、電化製品に関しては壊れていないのに返品する理由がいまいちわかりませんが、一週間なり少し実際に使ってみると使い心地や機能が微妙だったと感じる人もいるのでしょう。

・枯れてしまったクリスマスツリー

植物が枯れてしまってから返品出来るというのは、なんだか不思議な感じもしますがアメリカでは可能です。枯れていなくてもクリスマス当日だけ飾って、すぐ返品も出来るので消費者としては、返品制度を利用した方が経済的にお得です。

ネットショッピングでも寛容な返品制度

返品制度が定着しているアメリカでは、Amazon、eBayなどのネットショッピングでも返品率は高いです。またアメリカのネットショップでは、梱包の際の部品の入れ忘れなど返品対象になることの発生率も多いように感じます。特に自分で組み立てる必要のある家具の部品が足りないなんてことは日常茶飯事で、ネットショップ側に問い合わせると面倒臭いのか、商品は返品しなくてもいいので返金しますとの返答が返ってきたりします。

他にも何%引きにしますなどそれ相応の対応は早いですが、部品が足りない商品は組み立てられず、結局もらっても使えないこともあります。アメリカでネットショップで売る側も大変なんて話も聞きます。自己主張を超えるクレームで返品を要求され、さらに低評価がつけられクレーム対応に追われ、全然自分の商品が売れないなんてことも十分考えられるのです。

アメリカの返品制度の歴史

返品制度が寛容になったのにはアメリカの歴史も関係しています。19世紀農民も多く、まだお店で物を買うこと自体ハードルが高かった時代、あるスーパーが物を買うという行為のハードルを低くするために返品制度を設けたのが発端とも言われています。裕福な家庭も少ない時代、物を買っても気にいらなければ返金出来るというのは当時は画期的、消費者目線に立った有効なサービスだったようです。

アメリカの過剰な返品制度は見直されつつある

使用済みでもタグがなくても、お客様の都合でも何でも返品出来てしまうアメリカの文化。消費者にとっては、確かに物を買うハードルは下がり、迷ったら両方買うなんて思考も出て来やすいです。

しかし、企業側から見れば、返品率が高いと収益にはならず、在庫管理や返品対応など余計な所にも歪みが出て来ます。返品制度が充実していないと物が売れないというのもおかしな話なような気がします。アメリカでは近年、その過剰な返品制度に警笛を鳴らしている人もいて、返品は前提ではなく例外だという認識を持たせる動きもあります。

物を買う時には、本当に使うか欲しいものなのか考えて購入し、自分の都合での返品は考え直し、対応する側の身にもなって考えることも重要なのではないかと思います。

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